只今、クラウド基盤「Google App Engine(以下、GAE)」について連載を始めたばかりです。
さて、GAEについて連載すると言いましても、その規模が超膨大でどこから初めて良いやら……、という状態です。
ひとまず、連載最初は「スタート編」と題しまして、とにかくプロジェクトを始めてみましょう。
スタート編でやること
- Googleアカウントを作る。
- とにかくプロジェクトを始める。(接続先URLの確保)
- Eclipseセットアップ
- Eclipse内でプロジェクト作成
- リリース
以上です。
「これくらい、マウスでちょっとカチカチやるだけで終わるだろ」と思ってはいけません。
これだけでも詰まるのがGAEです。
悪戦苦闘した私の記録が、少しでも後の世の発展に繋がることを切に願います。
アカウント作成の前に
最初はアカウント作成です。GAEを使うにはGoogleアカウントが必要です。
ここで早速、第一チェックポイントです。
Googleアカウントを使ってGoogleにアクセスして開発するわけですから、「社内/社外」という概念はありません。
普通の開発の場合、
- 開発環境は社内からしか参照できない場所にあるサーバを使う。
- 本番環境はインターネットに公開するサーバに展開する。
まず大抵はこのような体制で開発しています。
GAEにはこのような「社内/社外」という概念はありません。
本番環境も開発環境も同じくインターネットに繋がっており、家からでも普通にアクセス出来ます。
場所を問わないことがクラウド開発の非常に大きなメリットです。
お客様にもアカウントを用意して貰えばお客様も開発環境に入ることが可能ですので、開発の進捗状況をリアルタイムかつダイレクトに報告出来るのです。
仕様変更などを電話相談する時も便利そうですね。
しかし一方で、家からでも開発環境、本番環境、両方にログイン出来てしまう環境ですから、セキュリティ的には従来開発よりも低いです。
このセキュリティ水準を認められない開発の場合は諦めるしかありません。
ただし、アカウント毎に権限を付与して、「本番環境にログイン出来る人はこの人だけ」「開発環境にアクセス出来るのはこの人だけ」というような運用は出来ます。
また、「この人が何時何分にこういう操作を行った」という記録も残っています。
この辺りがGoogleのセキュリティ水準の方針なのですね。
その辺の管理権限につきましては、しばらく後、別の章でご紹介することになると思います。
アカウント作成
では、アカウント作成に行きましょう。すでにアカウントを有している人は作成する必要はありませんが、それでも読んで損はない情報を以下に記載します。
皆様ご存じ、Googleのトップページの右上に「ログイン」というボタンがありますね?
その人のログイン状況に応じて少し画面は違いますが、とにかくその先から以下のような「アカウント作成画面」に進むことが出来ます。
ここに名前や、希望するアカウント名、パスワード等を入力していきます。
ここで第二チェックポイントです。
名前は個人名にして下さい。
上の画像には「遠藤 太志郎」と入っていますよね?
そう、名前は個人名でなければいけません。
「このアカウントは管理者間で使い回しする予定だから、名前は『ジェニシス アドミン』にしよう」
とかダメなんですよ。
『ジェニシス アドミン』のように個人名ではない名前を入力してアカウントを作ると、そのタイミングでは確かに入力出来ます。
しかし、数日内にGoogleより「ポリシー違反です。修正しなければアカウントを削除します」みたいな警告が届いてしまいます。
「個人名判定ロジック」が定期実行されているのです。
これはGoogle+の名前付けポリシーによるものです。
https://support.google.com/plus/answer/1228271?hl=ja
最近のGoogleは全機能をGoogle+を中心に連結する試みがなされており、Google+を使うつもりが無くてもGoogle+の影響下に置かれてしまいます。
「アカウントの使いまわしをするな。ちゃんと権限で管理しろ」というGoogleの意思表示なんですね……。
よって、共通の使い回しアカウントはなるべく使わないことをオススメします。
どうしても共通アカウントが必要な場合は、代表者の名前を入力すると良いでしょう。
(偽名を考える、という手もありますけどね)
ここまで
長くなってきたので今回はここまでです。アカウント一個作るだけでもこれだけ色々あるのです。
次回はプロジェクト作成からスタートします。